よくある質問

精神障害の労災認定状況について

質問

ストレスやうつ病による自殺など、精神障害が業務に起因するものとして、労災認定されているようですが、過重労働や仕事による強いストレスなどの負荷に原因するものとして、どれだけの数の労災保険の請求や認定がなされているのでしょうか。精神障害の労災補償の認定状況と概略でいいですが新しい認定基準による評価方法などの内容について知りたいのですが・・・・

 
答え

ご指摘のように 、精神障害と認定されるのは、精神障害の発病の原因が「仕事による強いストレス」と判断される場合に限ります。発病の原因については、発病前概ね6か月の間に、業務による強い心理的負荷が認められることなど、医学的に慎重な判断がなされます。業務外の心理的負荷や個体側要因による発病などは認められません。

精神障害による労災請求が増加しており、その原因が業務に起因するものかどうかの迅速な判断が求められていたため、厚生労働省では、平成23年12月に「心理的負荷による精神障害の認定基準」を新たに定めました。
その後、この基準に基づいて、精神障害の労災認定が行われています。

厚労省が平成26年6月27日に公表した、平成25年度の「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」を取りまとめ、公表しています。精神障害の労災請求件数は1,409件(前年度比152件増)と過去最多となっております。

平成25年度中に「業務上」と認定した支給決定件数は436件(25年度以前請求分も含む)となっております。
業種別にみると請求件数では①製造業②医療・福祉③卸・小売業、支給決定件数では①製造業②卸・小売業③医療・福祉
※因みに、脳・心臓疾患に関する事案では請求件数784件、支給決定件数436件となっております。

又、精神障害の場合には、職場環境の悪化、特に人間関係に起因するストレスなど、更に過重労働の防止、ハラスメント禁止規定の周知徹底、社内研修の定期的実施など心掛けたいものです。

なお、「業務による強い心理的負荷」については、次の評価表を参考として活用するようお勧めします。

心理的負荷による精神障害の新認定基準の概要についての評価表


P.S.  平成27年6月25日に公表された平成26年度の「過労死等の労災補償状況」によると、精神障害の労災請求件数1,456件、支給決定件数497件となっており、それぞれ前年度比47件増、61件増と、共に過去最多となっています。
 ↣ 平成26年度過労死等の労災補償状況   ↣ 過去5年間の精神障害の労災補償状況

また、業務上疾病の発生状況や過去の労働保険判決例等については次の資料でご確認ください。
 ↣ 「業務上疾病発生状況等調査表(平成26年)」  ↣ 「労働保険判決例」






>>>よくある質問TOPに戻る

▲ ページトップ

社会保険労務士個人情報保護事務所 経済産業大臣認定 個人情報保護機関認証
事務所概要 個人情報保護方針