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社会保険・労働保険

健康保険・厚生年金保険と、労災保険・雇用保険の適用と届出について整理しています。窓口と期限は制度ごとに異なります。

四つの保険と届出先

いわゆる社会保険と労働保険は、まとめて語られることが多いものの、根拠となる法律も窓口も別です。健康保険と厚生年金保険は年金事務所(健康保険組合がある場合は組合)、労災保険は労働基準監督署、雇用保険はハローワークが窓口になります。労働保険の保険料だけは労災と雇用をまとめて申告・納付します。

健康保険・厚生年金保険

法人であれば役員一人の会社でも強制適用です。資格取得届は事実発生から5日以内に年金事務所へ提出します。

労災保険

労働者を一人でも使用すれば適用されます。保険料は全額事業主負担で、業種ごとに料率が異なります。

雇用保険

週の所定労働時間と雇用見込みの要件を満たす労働者が被保険者になります。資格取得届は翌月10日までにハローワークへ提出します。

労働保険の保険料

労災と雇用をまとめて年度更新で申告・納付します。前年度の確定精算と当年度の概算納付を同時に行う仕組みです。

短時間労働者への適用拡大

パート・アルバイトが健康保険と厚生年金保険の被保険者になる範囲は、企業規模の基準が段階的に引き下げられてきました。2022年10月に従業員101人以上、2024年10月に51人以上へ広がっています。週の所定労働時間、月額賃金、雇用見込み、学生でないことといった要件を組み合わせて判定します。

自社が対象規模に入ると、それまで加入していなかった人が一斉に被保険者になります。本人の手取りと会社の保険料負担の両方が変わるため、対象者への説明と、勤務時間の設計の見直しを同時に進めることになります。

入社・退社で発生する手続

入社時と退社時は、四つの保険それぞれに届出が発生します。期限が最も短いのは健康保険・厚生年金保険の資格取得届で、事実発生から5日以内です。退職時は資格喪失届に加えて、雇用保険の離職証明書の作成が必要になる場面が多く、離職前6か月の賃金の記録が求められます。

扶養と第3号被保険者

被扶養者の認定は、収入の見込みと同居の有無で判断します。配偶者については国民年金の第3号被保険者の届出も同時に行います。認定の要件を満たさなくなった場合の削除の届出は忘れられやすく、あとから保険給付の返還が問題になることがあります。

算定基礎届と月額変更届

標準報酬月額は、毎年7月の算定基礎届で1年分を決め直します。年の途中で固定的賃金が変わり、変動後3か月の平均が一定の等級差に達したときは月額変更届が必要です。昇給や手当の新設は、給与計算だけでなくこの届出にも影響します。

労働保険の年度更新

労働保険の保険料は、年度ごとに前年度分を確定精算し、当年度分を概算で納付します。申告と納付の期間は例年6月1日から7月10日までです。賃金総額の集計にあたっては、通勤手当は含める、退職金や慶弔見舞金は含めないといった扱いの区別があり、賃金台帳の整理が前提になります。

保険料率は年度で変わります

労災保険率は業種別に定められ、数年ごとに改定されます。雇用保険料率も年度ごとに見直されます。申告前に、その年度の率を確認してから計算してください。

保険給付

業務上や通勤途上のけがは労災保険、それ以外の病気やけがは健康保険と、原因によって使う制度が分かれます。判断を誤ると、いったん健康保険で受診した分をあとから切り替える手続が必要になります。

  • 療養と休業に関する労災の給付は、労働基準監督署に請求します。
  • 私傷病で連続して働けないときは、健康保険の傷病手当金の対象になり得ます。
  • 離職後の基本手当は、離職理由と被保険者期間で所定給付日数が変わります。
  • 複数の事業所で働く人については、労災の給付基礎日額を合算する仕組みが設けられています。