すべての制度に共通する要件
助成金の名称と支給額は年度ごとに変わりますが、どの制度でも問われる要件には共通する部分があります。個別の制度を探す前に、次の点を満たしているかを確認します。
雇用保険の適用事業所であること
雇用関係の助成金は雇用保険二事業を財源とするため、事業所が適用事業所であり、対象者が被保険者であることが前提になります。
労働関係の帳簿が揃っていること
出勤簿、賃金台帳、労働者名簿は法定三帳簿と呼ばれ、審査で必ず確認されます。作成していない、実態と合っていないという時点で先に進めません。
支給申請の期間内に申請すること
計画の届出が先に必要な制度が多く、事後の申請では受け付けられません。取組を始める前に日程を確認します。
労働保険料を滞納していないこと
滞納があると支給の対象外になります。年度更新の納付状況とあわせて確認してください。
支給されないことがある事由
要件を満たしていても、次のような事情があると不支給になります。雇用の維持と改善を支援する制度であるため、雇用を減らす動きや法令違反がある事業所は対象から外れます。
- 一定の期間内に、事業主都合による離職者を出している。
- 労働関係法令に重大な違反があり、是正が済んでいない。
- 審査に必要な書類の提出や、実地調査への協力に応じない。
- 不正受給をして一定の期間を経過していない。
不正受給の扱いは重い
偽りその他不正の行為によって受給した場合、返還に加えて事業主名などが公表される取扱いが定められています。実態のない雇用契約や、後から作った出勤簿による申請は、支援制度の利用ではなく不正の問題として扱われます。
目的別の分類
雇用関係の助成金は、何を支援する制度なのかで区分されています。厚生労働省の一覧もこの分類で整理されています。
雇用の維持
景気の変動などにより事業を縮小せざるを得ない場合に、休業や教育訓練で雇用を維持する取組を支援するもの。
再就職の支援
離職を余儀なくされる労働者の再就職を、送り出す側の事業主が支援する場合のもの。
採用と定着
就職が困難な状況にある人を雇い入れる場合や、特定の分野で人材を確保する取組に関するもの。
処遇と労働環境の改善
非正規雇用労働者の正社員転換や処遇改善、労働時間の短縮や年次有給休暇の取得促進に関するもの。
仕事と家庭の両立
育児休業や介護休業を取得しやすい環境を整える取組に関するもの。
能力開発
職業訓練を計画的に実施する場合の、訓練経費や訓練期間中の賃金に関するもの。
処遇改善や労働時間短縮の制度は、就業規則の改定が支給要件になっていることが多くあります。改定と届出をいつまでに済ませるかが、そのまま申請の日程を決めます。