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就業規則・給与規程・関連諸規程

就業規則の作成と届出の義務、周知、不利益変更の考え方、および関連する諸規程について整理しています。

作成と届出が義務になる範囲

常時10人以上の労働者を使用する事業場では、就業規則を作成して所轄の労働基準監督署へ届け出る義務があります。人数は企業単位ではなく事業場単位で数え、パートやアルバイトも含みます。10人未満の事業場に届出義務はありませんが、労働条件を書面で確定させておく意味は変わりません。

変更したときも同じく届出が必要です。届出の際には、労働者の過半数で組織する労働組合、それがない場合は労働者の過半数を代表する者の意見書を添えます。意見書は同意書ではないため、反対意見であっても添付して届け出ることはできます。

過半数代表者の選び方

過半数代表者は、就業規則の意見聴取だけでなく、時間外労働・休日労働に関する協定などでも当事者になります。管理監督者でないこと、選出の目的を明らかにしたうえで投票や挙手など民主的な方法で選ばれていることが要件です。会社が指名した人では要件を満たしません。

必ず記載する事項

絶対的必要記載事項

始業と終業の時刻、休憩、休日、休暇、交替制の就業時転換に関すること。賃金の決定・計算・支払の方法、締切と支払の時期、昇給。退職に関すること(解雇の事由を含む)。

相対的必要記載事項

退職手当、臨時の賃金、食費や作業用品の負担、安全衛生、職業訓練、災害補償、表彰と制裁など。定めを置く場合には記載が必要になります。

周知

見やすい場所への掲示、書面の交付、社内ネットワークでの閲覧など、労働者がいつでも確認できる状態にしておくことが求められます。

周知されている就業規則が労働契約の内容になる

合理的な労働条件が定められた就業規則が労働者に周知されていれば、その内容が労働契約の内容になります(労働契約法第7条)。周知されていない規則は、労働条件の根拠としにくくなります。

制裁や解雇の事由も同様です。懲戒処分は、あらかじめ就業規則に事由と手段が定められ、それが周知されていることが前提になります。

不利益変更をするとき

就業規則の変更によって労働条件を労働者に不利益に変更する場合、原則として労働者との合意が必要です。合意によらず変更するには、変更後の内容の周知に加えて、変更の必要性、不利益の程度、労働条件の相当性、労働組合等との交渉の状況といった事情に照らして合理的であることが求められます(労働契約法第9条、第10条)。

賃金や退職金のように、金銭に直接結びつく条件ほど合理性は厳しく判断されます。代償措置や経過措置を設ける、対象を段階的に区切るなど、進め方そのものが判断材料になります。

本体と別に定める規程

給与や退職金のように改定の頻度や決裁の重みが違うものは、就業規則の本体から独立させて別規程にすることが多くなります。別規程も就業規則の一部であるため、届出と意見聴取の対象になる点は同じです。

  • 給与規程。基本給と諸手当の体系、割増賃金の計算方法、締切と支払日。
  • 退職金規程。算定の基礎、支給の要件、不支給や減額の事由。
  • 育児・介護休業規程。法改正が続く分野で、改正のたびに見直しが必要になります。
  • 休職規程。私傷病休職の期間、復職の判断、期間満了時の取扱い。
  • ハラスメント防止規程。相談窓口と、相談したことを理由とする不利益取扱いの禁止。
  • テレワーク規程。費用負担、労働時間の把握、中抜け時間の扱い。

副業・兼業をどう書くか

厚生労働省のモデル就業規則は、かつての「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」という規定例を改め、勤務時間外に他社の業務に従事できることを前提とした書き方に変わっています。届出制にするか許可制にするか、競業や情報漏えいをどう線引きするか、労働時間の通算と健康確保をどう扱うかを決めたうえで条文にします。